横浜市西区のはまっこ税理士が解説する動画セミナー【Vol.009】

中小企業における青色申告の3つのメリット

横浜市西区で税理士事務所を開業しております。税理士の甲田勝久と申します。

中小企業の経営者の皆様、創業希望の皆様のお役に立つ経営情報をお伝えしております。

今日は、節税の基本中の基本、青色申告についてお話します。

青色申告とは、複式簿記のルールに従って正確に帳簿をつけ、申告納税することで税制上の様々な特典が受けられる制度です。

青色申告でないものは白色申告と言われますが、青色申告は白色申告に比べ税務上で様々な有利な点があります。

青色申告法人になるためには、青色申告の承認申請書を原則として「会社設立の日から3ヵ月以内」に税務署に提出しなければなりません。

主なメリットは3つありますので順番に説明します。

まず1番目です。

その事業年度に生じた赤字を、翌年度以降の黒字と相殺することができるようになります。

株式会社、有限会社、合同会社などの法人は、その事業年度に生じた所得(利益)に対して法人税、法人事業税、法人県民税が課税されます。

そのため赤字になった事業年度については、上記の法人税等の税額金は発生しません。

特に設立した当所の事業年度は、予想以上に経費が掛かり赤字になる可能性が大きくなります。

この時もし白色申告ですと、赤字である欠損金はその事業年度に切り捨てられてしまうのですが、青色申告であればこの欠損金額を最大9年間繰り越すことができます。

また、次の事業年度に黒字になったとしても、黒字である所得金額から赤字である欠損金額を相殺することができます。

次に2番目です。

全額その年に経費にできる資産の価格が「30万円未満」まで上がるというものです。

法人が資産を購入した場合、その全額を一度に経費にすることができません。

その資産を数年間に渡って経費にするという減価償却という計算をして、法人税の経費にあたる損金算入をしていきます。

白色申告の場合でも、使用期間が1年未満のものや取得価格が10万円未満のものについては、その全額を支出した事業年度の損金として処理することができます。

青色申告をしていると取得価格が30万円未満のものであれば、「総額300万円」までその支出した事業年度の損金として処理することができます。

最後に3番目です。

この減価償却費を通常よりも多く計上することができる特別償却という制度が使えるというものです。

これは例えば、資産を取得した事業年度にその取得価格の30%、資産の種類によっては100%を経費に計上できるという非常にメリットのある制度です。

また、この特別償却と選択適用となりますが、法人税等の税額を直接減額できる特別控除という制度もあります。

これはその事業年度に計算された法人税額を最大で20%減額してくれる制度です。

この減額された法人税額は、法人県民税にも連動しますので合わせて減額されます。

以上のように青色申告を選択するだけで、これだけ多くの税制上のメリットを得ることができます。

法人に限らず個人事業者の方も申告は白色申告ではなく、ぜひ青色申告を行いましょう。