横浜市西区のはまっこ税理士が解説する動画セミナー【Vol.013】

家族を役員にする4つのメリット②

横浜市西区で税理士事務所を開業しております。税理士の甲田勝久と申します。

中小企業の経営者の皆様、創業希望の皆様のお役に立つ経営情報をお伝えしております。

今日は、家族を役員にして所得を分散する節税方法についての後半、メリットの3つ目と4つ目についてお話したいと思います。

3つ目は、「家族が社会保険に加入できる」です。

妻が役員に就任した場合、立場が労働者である従業員から経営者である役員になるため、労災保険の適用がなくなり、労災保険料と雇用保険料の会社負担がなくなります。

また、社長の妻がもし無職であっても国民年金の第3号被保険者となるため、社長が厚生年金保険料を支払うことで妻にも基礎年金が受給されます。

一方、妻が会社から年額130万円超の役員報酬の支給を受けると、国民年金の第2号被保険者となり、社会保険に加入することになります。

社会保険料の負担は、会社と社員で折半となっているため、会社が負担した社会保険料は、法定福利費として損金扱いとなります。

さらに妻の年金受給時には、基礎年金である国民年金に上乗せされた報酬比例分である厚生年金も受給されるので、役員報酬を支払う方が有利と言えるでしょう。

4つ目は、「家族にも退職金を支給できる」です。

会社の場合、個人事業主と違って、役員に対しても従業員と同様に退職金を出すことができます。

この役員に支払う退職金は損金算入できます。

もちろん、この退職金の金額は適正額でなければなりません。

相当に高額な部分の金額は、損金として取り扱えないので注意が必要です。

参考までに、役員退職金の適正額の目安となる計算式をお伝えいたします。

「退職時の最終の役員報酬月額」×「勤続年数」×「功績倍率」で計算されます。

功績倍率は、税法で明確に定められている訳ではありません。

こちらもやはり、同業種、同規模の会社水準等を勘案して決めていきます。

そのため、役員退職金規定などを設けるなど、事前の対策が重要になってきます。

社長の妻への退職金の支払いは、老後の備えになるばかりか、会社にとって損金扱いになるので、法人税の負担が減少いたします。

会社が退職金を準備する手段として、生命保険を上手に使うことも有効な手段となります。

会社の損金となる生命保険契約であれば、支払った保険料の範囲に応じて節税効果が発揮されます。

このように、妻をはじめとする家族を役員にすることは、様々な節税上のメリットがあります。

ぜひご検討してみてください。